※タイトル、最初は「ひと聞き惚れ」としたんですが、よく考えたら「ひと耳惚れ」ですね。変えちゃいました。てか、どっちにしろ、そんな言葉ないっつうに。
今年の夏、オレゴンからの帰りの機内で観た『永遠の門 ゴッホの見た未来』。私はティム・ロスのファンなので、彼が演じたゴッホが好きだったのですが、ウィレム・デフォーのゴッホはもう涙が出るくらいすばらしかった。決してゴッホが憑依したとかそういう印象ではなく、ウィレム・デフォーが演じるゴッホでしかないのですが、自分が目にしたこの風景の美しさを、この感動を、僕はどうしてもどうしてもどうしても描きたい!!!絵に残したい!!!それだけなんだよ!!!といったどうにも止められない、魂ともよぶべき「ほとばしる何か」が表現されていて、それはきっと本当にゴッホの中にもあったのだ、と思わずにはいられませんでした。
んでもって、サントラもすごく印象に残りました。ピアノ曲なんですが、メロディラインが美しいとか繊細とかそういうのだけとも違う、ミニマルな旋律が続くことで風景をなぞるような不思議な曲が特にステキで。
実は私が夏につぶやいたこの映画に関するツイートに先日、いきなり「いいね」をいただきまして、どなただろう?と見てみたら、このサントラの発売元さんでした。日本での劇場公開が今月からだと知っていたので、観に行った時にCDを探そうなんて思っていたんですが、いつ行けるか分からない状況…(泣)おおお!これは買わなきゃって、早速ポチりました。
「Moving Forward」それが私の一番気に入った曲の名前でした。「前に進む」あああ、まさにあのゴッホの心持ちを言い表したかのよう。
で、Youtubeを見ましたらね…なんと作曲者のタチアナ・リソフスカヤさんの名前で全曲アップされていました。しかも去年から。あ、気に入ったものはCDで持っていたい古いタイプの人間ですし、もちろん購入してよかったんですが(小柳帝さんの解説付きですし)、帰国後、さっさと探していればもっと早くこの曲を聴けたのにな…と。
で、小柳さんが「…劇伴は、ピアノとヴァイオリンによる室内楽風だが、不協和音やディストーション(音の歪み)を巧みに使った音響的なもの」と書かれていまして、なんだか納得。たぶん、私がここ数年、無条件に好物だなーと感じる音楽は(ヨハン・ヨハンソンしかり)このタイプに該当する気が。
というわけで、下に貼っ付けたのは計3回出てくる「Moving Forward」の3回目のものです。映画も是非、もう一度、大きなスクリーンで見たい!何としても仕事をスムーズに進めて、時間を確保しようと心に決めたのでありました。